。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。


「えっ!そーなの!!?知らなかったぁ。誰、誰??」


ワクワクして聞くと、キョウスケは顔を逸らした。


「秘密です」


「え~…って、あたしが聞いても分からないかぁ」


女子ってのは何でこんなに恋バナが好きなんだろう。誰かに好きな人がいるって聞いたら、それだけでワクワクしちまう。


リコがいたら盛り上がるだろうにな~


そんなことを思いながら、あたしは働く戒の姿を目で追った。



あれがあたしの彼氏なんだよ♪



オーダーを取る戒。


ちょっと目を伏せて、淡い笑みを湛えながらスラスラときれいな指がメモの上を走る。


テーブルの上の皿を片付ける戒。


どんだけ積むんだよ。って突っ込みたくなるぐらい皿を重ねても、スマートに持ち運んでる。


客に呼ばれたらあの甘い声で返事をしてテーブルに向かい、会計のときは真剣そのもの。


しかも、厨房になってるカウンターの向こう側を覗き込むときに見えるあの…


「ねぇねぇあの子の腰のラインやばくない??♪」


そうなんだよね~


こう、キュっとしまってて、思わず抱きつきたくなるぐらいセクシーで…


って!!


誰だよ!そんな噂するのは!!


あたしは慌ててキョロキョロ辺りを見た。


すぐ近くのテーブルであたしたちと同じ年齢の女の子二人組みがドリンクを飲んでいる最中だった。


二人ともすっげぇ可愛い。


しかも目線は戒の方を見ている。



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