栄人と優人ーエイトとユウトー
「そをなにいつも肩に力を入れて生きていたら、途中で息切れしてしまいますよ。早和さん、僕は目が見えない分、人の気持ちが伝わってくるみたいです。あなたは今まで僕が出会った人の中で、二番目に素敵な人ですよ。一番目はもちろん兄貴なんだけど。だから、ねっ、肩の力を抜いていいですよ。」
早和は自分でもずっと思っていた。
施設で育ったせいもあるのか、誰かといるとつい、その人に嫌われないようにいつも気を使ってしまう。
だから、人から「気が利く」「優しい」などと言われるとホッとするのだ。
けれど、その後一人になった時に、疲れがまとめてくる。
その為、つい友人や会社の人達と出掛けるのがおっくうになってしまう。
実は、栄人もその例外ではなかった。
甘えたい、気楽に話したいとは思うのだけれど、嫌われたくないという思いが強く、どこか心を開けずにいる自分に気付いていた。
そんな早和を、会って間もない優人が分かってくれた。
早和の涙がテーブルに落ちた。
「早和さん、兄貴はね、今まで自分の為に生きことないんじゃないかな。ずっと俺のことばっかりでね。そんな兄貴が結婚したい女性がいるって早和さんのことを話してくれた時、本当に嬉しそうだった。あんなに嬉しそうな兄貴は初めてだったよ。僕も、これでやっと兄貴も幸せになれるんだって心から嬉しかったし、ホッとしたんだ。早和さん、兄貴は大きな奴だよ。今更早和さんが何かしても、決して嫌いになったりしない。兄貴に、もちろん僕にも気を使わなくてもいいんだよ。今まで、疲れたでしょう。」
そう言うと、優人は優しく微笑み、そっと早和の頬に触れて、こぼれ落ちる涙を拭った。
「優人君凄いね。何でも分かっちゃうの?」
早和は、泣いてしまった自分に照れながら、わざと軽い口調で言った。
「そんなことないよ。好きな人達のことは、なぜか心に伝わってくるんだ。」
早和は自分でもずっと思っていた。
施設で育ったせいもあるのか、誰かといるとつい、その人に嫌われないようにいつも気を使ってしまう。
だから、人から「気が利く」「優しい」などと言われるとホッとするのだ。
けれど、その後一人になった時に、疲れがまとめてくる。
その為、つい友人や会社の人達と出掛けるのがおっくうになってしまう。
実は、栄人もその例外ではなかった。
甘えたい、気楽に話したいとは思うのだけれど、嫌われたくないという思いが強く、どこか心を開けずにいる自分に気付いていた。
そんな早和を、会って間もない優人が分かってくれた。
早和の涙がテーブルに落ちた。
「早和さん、兄貴はね、今まで自分の為に生きことないんじゃないかな。ずっと俺のことばっかりでね。そんな兄貴が結婚したい女性がいるって早和さんのことを話してくれた時、本当に嬉しそうだった。あんなに嬉しそうな兄貴は初めてだったよ。僕も、これでやっと兄貴も幸せになれるんだって心から嬉しかったし、ホッとしたんだ。早和さん、兄貴は大きな奴だよ。今更早和さんが何かしても、決して嫌いになったりしない。兄貴に、もちろん僕にも気を使わなくてもいいんだよ。今まで、疲れたでしょう。」
そう言うと、優人は優しく微笑み、そっと早和の頬に触れて、こぼれ落ちる涙を拭った。
「優人君凄いね。何でも分かっちゃうの?」
早和は、泣いてしまった自分に照れながら、わざと軽い口調で言った。
「そんなことないよ。好きな人達のことは、なぜか心に伝わってくるんだ。」