溺愛lovers

Vol.2






普段より満たされた夜を過ごして

早一週間。



百合の仕事の都合で

あれ以来会っていないが

距離が縮まったように思えた俺は

百合に会えない寂しさより

次、百合に会うときの嬉しさのほうが

はるかに勝っていた。




今日、

俺は長居の買い物に付き合う約束をしている。


もう直ぐ奈波さんの誕生日らしい。



誕生日と1ヶ月記念が重なるから

盛大にいきたいんだそう。





放課後。


俺たちは近くのショッピングモールに

来ていた。



「何買うか決めたのか?」


「指輪とか♪」


「指輪?

 お前、引かれないようにしろよ」



何件かあるアクセサリーショップを回り、

やっと見つけた指輪は

小さなハートが付いていて

可愛らしかった。



「これは運命だな!

 いかにも柚希(ゆずき)って感じ!」






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