溺愛lovers
いつもの待ち合わせ場所。
桜の木といったら
俺の校門の前しか思いつかなかった。
メールが来て10分。
たどり着いた場所には
―――百合がいた。
「・・・百合。」
百合は顔を上げて安心したかのように
ため息をついた。
「来てくれないんじゃないかと
思ってた。」
「で、話って?」
百合はうつむく。
「あ、のさ・・・」
震えた声で話を持ち出す。
「嫌いなら、別れよ?」
「?」
意味が分からなかった。