溺愛lovers
鞄を取って昇降口を出たとき。
白いワンピースを着た女性が
校門近くにある桜の木下に立っていた。
―・・・百合だ。
肩より長い茶色い髪は巻かれてて
白いワンピースから伸びる華奢な手足は
透き通るように白い。
長いまつげ。
高い鼻。
薄い唇。
全てが愛しい。
近づいてきた俺に気付いたのか
百合は華の様な笑みを浮かべて
駆け寄ってきた。
「嘉向っ
いきなり来ちゃったけど
今日大丈夫だった?」
「あぁ。
大丈夫だよ、暇だし。」
よかったと言って
また百合は満面の笑みを浮かべた。