軽業師は新撰組隊士!
1:鳥は落ちて
――――『よいか、動きだけで楽しませる。魅せることが仕事なんだ。』
この言葉を教えてもらって、私はこの仕事が好きになった。
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「さあ続いては、天才軽業師!【カエデ】の演技です!」
私はその言葉と共に、明るいステージへと出る。
私は観客にお辞儀をし、梯子を上り、地上30メートルにある縄に足をかける。
私、柴田楓(シバタカエデ)は、このサーカスで、軽業師をしている。
18才だが、天才だとか言われているが、私は本物の天才をこの目で見たことがあるから、自分が天才とは思わない。
今、縄の上を歩いている。
縄がギシギシ鳴らないように、落ちないように、でも軽やかに。
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