軽業師は新撰組隊士!
猟師の弟子と、ほのぼの会話
――――――
所変わって、山崎の部屋。
「…、舐められた?」
「……はい。」
楓は傷を手当てしてもらいながら、山崎に話を聞いてもらっていた。
楓は、風呂に入るときなど、いつも山崎に見張りについてもらっているので、案外仲がいい。
「副長も結構大胆なんだな?俺は初めて知ったな。」
「心臓が持たないんですよ。行動が突発的すぎて。」
「ほぅ。」
口数があまり多くない山崎だが、話していると落ち着く。
「でも、優しいから…許しちゃうんですよね。」
「副長は人のことを優先なさるからな。」
「そうなんですよねー。本当に………、優しすぎるんです。だから、ときどき悲しくなります。」
「なぜ?」
「全部、自分で背負おうとするから、まるで壁を作られてるみたいで。」
背負っているものを分けてはくれないほど、他人なのか、と思ってしまう。