軽業師は新撰組隊士!
楓は訳が分からない。
今の言葉に変なところがあっただろうか、と考えていると、隊士たちの会話が聞こえた。
「“はんかち”って、異国の…」
「ああ、知ってる。確か“はんかちぃふ”ってやつだろ?」
「そんな言葉が自然に出てくるってことは……やっぱり噂は本当なのか?」
楓はそれを聞いて、今一番やってはいけないことをした、と思った。
ただでさえ疑われているのに………疑いの色を濃くするような発言をしてしまった。
「楓、行きましょう。…辛いでしょうが、今は何を言っても無駄でしょう。」
「……はい。」
楓は俯きながら、道場から出た。