軽業師は新撰組隊士!


俺が


「別に喧嘩はしてねぇよ。原田は落ち着いたしな。………俺は怒ってるが。」


と、言うと、楓は


「えっ!?な、なんで土方さん怒ってるんですか!?」


と、慌てだした。

私のせいですか!?と慌てふためくコイツは面白い。

俺は微笑んで、それから楓の頭に軽く拳骨した。


「バーカ。原田に怒ってるわけじゃねぇし、お前のせいでもねぇよ。」


ただ、


「お前の噂を流した奴に、ムカついてるだけだ。」


本当に、なんてことをしてくれやがる。

俺の惚れた女を傷つけるたぁ。


「…え?あの、疑わないんですか?」


楓が困惑した顔で言った。


「何を。」

「私が間者かどうか、です。」


………。

あぁ、


「馬鹿だろ、お前。」

「んなっ!」



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