軽業師は新撰組隊士!
月夜の夜
世の中の非情さを理解した。
それでも時は過ぎるのだ、と。
そして次の日
噂の真相が隊士たちに明かされ
一人の隊士が切腹した。
(鬼一さん……)
楓は、鬼一が切腹するところを見た。
そして、思い出す。
最初は嫌がられていて、でも認めてくれた。
『柴田』
そう言って甘味処に誘ったり、話したり。
部屋を出てから
鬼一の亡骸がある室内へ頭を下げる。
(ありがとうございました)
心の中で呟いたこの言葉が
今は亡き人に届くことを願った。