軽業師は新撰組隊士!
事が動いたのは
急だった。
少なくとも、楓にとっては。
「――古高が、はいた。」
近藤の言ったその台詞に、
土方の部屋に集まっていた幹部等、そして楓は緊張感を持った。
古高、とは。
古高俊太郎。攘夷派志士であり、
古高の店から武器弾薬、諸藩浪士との書状や血判書が発見され、そのため捕縛。
近藤と土方が拷問をして、はいた内容は。
「天皇陛下を、長州に連れ去るつもりらしい。」
強風の火を狙い御所に火を放ち、混乱に乗じて
佐幕派公卿の中川宮を幽閉。
松平容平以下佐幕派大名を殺害。
そして天皇を連れ去る、というものだった。
「えー、天皇様を連れ去るの?だって尊王攘夷派でしょー?いくら京から追い出されたって言っても、やりすぎじゃない?」
藤堂の言った事に、みんなは同意を示すように頷く。