軽業師は新撰組隊士!
「はっはっは。人々を守るのが新撰組だろう?――幕府に仕えるのは止めだ。」
無闇な戦いはせず、人々を守るときだけ刀を取ろう。
近藤はそう語った。
楓は呆然として
土方は愉快そうに笑った。
そして
「じゃあな、近藤さん。」
「今まで、ありがとうございました!」
お別れの、時だ。
「あぁ。末永く、幸せに。」
いつか手紙でも送ろうと、そう近藤は思った。
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屯所から出て
楓は土方に聞く。
「皆さんに挨拶しなくてよかったんでしょうか?」
「良いだろ。挨拶したら、喧しくてかなわないだろうからな。」
ハハッ、と笑う土方を見て、幸せを感じた。
――克は、死んだ。
新撰組の屯所内でお墓を作って、埋めた。
悲しかったが、
克に恩返しをするため
限られた時間を精一杯生きることにした。
これからは、戦いの無い地で、二人でのんびりと暮らすつもりだ。
「ねぇ土方さん。」
「ん?」
「愛してます。」
「あぁ…俺も。」
生きていこう、一緒に。
そう言われて、楓は微笑みながら頷いた。
【END】