軽業師は新撰組隊士!
冗談を言っている場合じゃないと判断し、男から距離をとり、脇差しを抜き、構える。
と、いっても初心者。
構え方に隙がありすぎる。
「私は事情聴取のために屯所にいました。よって何も知りません。」
「にしては、傷一つないじゃねぇか。」
男が言うには、
事情聴取という名の拷問を受けた人物で、屯所から出てきた者はボロボロになるらしい。
しかし楓は無傷。
だから、楓と新撰組は繋がっていると思われた。
「だから、坊ちゃんには情報を吐いてもらう。吐かなかったら……その首、跳ぶぜ?」
「いや、だから、知らないのに。」
問答無用!と、切りかかってきた男。