軽業師は新撰組隊士!




そこにいたのは
浅葱色の羽織を羽織った、長い髪を高い所で一つに纏めた美丈夫。


百人女がいたら、九十九人が振り返るであろう。



しかし、

(誰?この人。)


楓は残りの一人だった。



「おい女。」


「…え?」



考えにふけっていると、男二人はいつの間にか逃げていた。


よって、裏路地にいるのは、楓と美丈夫だけ。





「お前、見たことねぇ着物着てやがるな。」


「……そうですね。」


「…怪しいな。」


「……そうですね。」


「ちょっと話を聞く。ついて来い。」


「いいともー。……なんて言うワケないですサヨナラ。」



楓は民家の屋根に飛び乗り
ピョンピョンと屋根から屋根へと移動して逃走した。





< 7 / 250 >

この作品をシェア

pagetop