軽業師は新撰組隊士!
「おじさーん。居ますか?」
呉服屋の暖簾をくぐると、初老の男性が姿を現した。
「はいはい。どうなさいました?」
「この子に合う着物、ください。」
沖田が楓を指差してそう言うと、初老の男性は「はい。」と一つ返事をして、着物を選び始めた。
楓は沖田をチラッと見る。
「どうしました?」
「……いえ。その…、お金、持ってないんですけど。」
「ああ、大丈夫です。僕がお金払いますから。」
笑顔でそう言って、楓を見る沖田は、さらに
「いきなり連れてきたんだから、お金は持ってなくて当たり前です。」
と言ってくれた。
「お金を貯めて返します。」
「堅苦しいですねー。」
そんなことを話していると、初老の男性は着物を数着持ってきた。