feel〜優しい体温〜
「ケンタ君ね!ケンタ君、よく怪我するの?」


「うん。一週間に一回ぐらい大怪我するんだ。……あ、来たよ!ハルト兄ちゃんだ!あ、でも帰ってく……ちょっと兄ちゃん!兄ちゃんてば!」


−わりぃ。今日は帰る。


「なんで?あのお姉ちゃん、ハルト兄ちゃんの事待ってたんだよ?」


−だから帰るんだよ。昨日、無視しちまったし。


「うわっ、やっぱ兄ちゃん性格悪い……」


−失礼だな。ところで、あの女に俺が来たって言ったのか?


「うん、言ったよ!僕、親切だもん」


−あのなぁ……そゆの自分で言うか?つーか空気読め。


「そんなの解らないよ!何も知らなかったもん」


−じゃあ、俺は帰ったって伝えておけ。


「ダメっ!お姉ちゃん、目見えないのに一生懸命来たんだよ?」


−そーゆーとこばっか気ィ利かせやがって……。


「いいから行くの!」


−……あぁ!ハイハイ!行きゃいいんだろ!?めんどくせーな。


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