feel〜優しい体温〜
−アンタって呼ばれるのは嫌か?


「それは嫌だよ……ちゃんと名前があるし……」


−じゃ、どうやら年下みたいだし、ヒカリって呼んでいいか?


「それはハルトさんの勝手だけど……ハルトさんは何歳なの?」


−24。つーかハルトさんってやめろよ。キモい。ハルトか、せめてハルト君だな。


「じゃ、ハルト!」


−そっちで来るか。普通君付けだよな。


「ふふ……私に選ばせるからだよっ!」


−だな。図々しそうだし。


「失礼ねぇ……ところで、アタシってどう?今時の女の子っぽい?見れる顔してる?」


−いや、してない。


「んがっ!ホンット失礼だよね!どういう神経してんのよ!」


−あぁ俺、素直だからな。


「あーそうですか!……聞かなきゃ良かった……あ、そろそろ酒屋さん見えて来た?」


−あぁ、まさに目の前だ。


「そ。ここまで来れば大丈夫。ありがと!また聞かせてね!」


−あぁ、気が向いたらな。……ところでお前、そんなに見れない顔じゃねぇと思うぞ。……じゃ。


「え?あ、ちょっ……何よアイツ……」


見れない顔だって言ったり、そうでもないって言ったり。変な人……。


イタタ……右手ずっと貸してたら肩こった。


< 20 / 76 >

この作品をシェア

pagetop