feel〜優しい体温〜
−俺はアイツに、いろんな事を教えてもらった。


「……どんな?」


−俺、この通りひねくれた所あるだろ?


−だからか知らねーけど、こんな耳になっても"俺を助けようとしてる誰か"が気に入らなかった。俺を障害者扱いするな!ってな。


「あ、なんか分かる……」


−それがアイツのたった一言で吹っ飛んだよ。耳聞こえないんだぁ!変なの〜!だってさ。


「それ、私も言われた!ムカっと来たよ……」


−だろ?……それで、俺気付いたんだ。俺は障害者なんだって。


−"障害者"って名札付けて、誰かに助けてもらわないといけない時があるんだってな。


−ま、俺の場合まだあのチビぐらいにしか助けてもらうつもりはねぇけど。


「ハルト…なにげに色々考えてんだね」


−"なにげに"は余計だろ。……だからヒカリも誰かに手伝ってもらえ。それで、いい物作れよ。


「そうだね……じゃ、ハルト手伝って?」


−ヤダ。


「ケチ!」


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