feel〜優しい体温〜
それから四〜五ヶ月ぐらい経っただろうか。あれは桜の花が咲き始めた頃だった。


\ネェ!オ兄チャンッテバ!


うぉっ!…なんだよ、突然視界に入ってくんな。


\★&%?・=!


困った。さっきみたいにデカい口でゆっくり喋ってくれると助かるんだけど…って伝えるのも難しいしな…。あ、携帯携帯…あった。メールの画面に打って見せよう。コイツ小一ぐらいか?ひらがな多めで…


−ごめん。おれ、耳きこえないんだ。ゆっくり、ハッキリ話して。


\エ?オ兄チャン耳聞コエナインダ!変ナノ〜!


何だこのガキ。腹立つな。でも…そうやって素直に言われる分、まだ大人よりマシだな。


\デモ、ボクモ変ナンダヨ〜!


−?なんでだ?ふつうじゃね〜か。


\ボク、無インダ〜。


−何が?


\………………………………………………………


−……そっか…わかった。好きなうた、きかせてやるよ。


\ホント?ヤッター!


コイツ…こんな小せーのに、頑張って生きてんな…。


こんなチビでも必死で生きてんだ。俺も一応生きてみるか。


−なぁチビ…


\チビジャナイヨ!ケンタダヨ!


−じゃあケンタ。また、きいてくれるか?


\ウン!沢山聞かせてね!
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