feel〜優しい体温〜
「ハルト……ハルトだぁ……うっ……うぅっ……」


−泣いてないで説明しろよ。


「あ……そうだ!ケンタ君が……………………………」


−そうか……じゃ、病院行くぞ。ホレ……


「ん?何々?おんぶ?やだ……私重いし……」


−んな事言ってる場合じゃねーだろ!お前歩くのおせぇだろぅが!で、どこの病院だ?


「市立。ん〜……じゃ、お願いします……」


ホント、結構重いな。でも早いとこ病院いかねーと。これだからアイツ、目ェ離せないんだよな。


つーか何でこんな時に限ってタクシー通らねーんだ?急いでんだっつーのによ……。


「うわぁ……背中もおっきい……もうちょっと、こうしててもいいけど……急いで……ハルト!ケンタ君頑張るんだよ!」


……よし、着いたぞ。よいしょっ……と。


「ん?着いたの?」


−あぁ。こっから自分で歩け。


「うん!」


タッタッタッタッタッ……


「あの……ケンタって子の病室解りますか?2〜3時間前に搬送されてきたと思うんですが……」


「あぁ、ケンタ君……ケンタ君……あ、今MRIに入ってますのでそちらに向かって下さい」


「ありがとうございます!……ハルト、MRIだって!案内して!」


−あいよ。


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