feel〜優しい体温〜
それから月日は流れ、あのコンサートから一年後の事。


「ヒカリ姉ちゃ〜ん!」


「あれ〜?ケンタ、またおサボリ〜?」


「へへっ!」


「全く……ケンタももう四年生なんだから、ちゃんと勉強しないと!」


「解ってるよぉ……あ、姉ちゃん調子良さそうだね!昨日より絵が進んでる!」


「ふふ〜ん!解る?今日は良く晴れてるし、こう緑が踊ってると、嫌でも筆が進むのよ!」


「やっぱり姉ちゃんの絵、手術してからうまくなったね!」


「そりゃそうよ!」


……そう。私はこの一年で大きく変わった。


手術をして、目が見える様になったんだ。


普通は、そうそうすんなりとドナーが見付かったりはしないんだけど、希望を出して一月で見付かった。


近場で亡くなった人だったから、私が優先されたらしい。これは奇跡に近い出来事だった。


でも……


「ハルト、いつになったら帰って来るのかな……」


「さあ……兄ちゃん気まぐれだからね、10年後とか?」


「まっさかぁ!……だったらどうしよ……」


「ねっ!……でも、ハルト兄ちゃん変わったよね!コンサートの二日前に、兄ちゃんのお母さんに会いに行ったみたいだよ!」


「え?それまでは会いに言ってなかったの?」


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