悪魔の連鎖ポイズン・キッス
「まあ、いいじゃない、ちょっとぐらい違ったって。
そう、丁度小学校三年生の時。

懐かしいわあ、あの頃が。

体育倉庫で一緒に遊んだり、おしゃべりしたり。
二人だけの秘密基地にしていたわね。」

「???」

かずやは、理恵子先生の言っている事が、さっぱり分からなかった。

それもそのはずで、理恵子先生は、例の省吾の作った薬の影響で、小学校時代の仲良しだった少年との思い出を、かずやにダブらせてしまっていたのだった。

理恵子先生にとっては、すごく美しい思い出のリプレイで、非常に楽しい時間ではある。

ただ当然、かずやにとっては、全く訳の分からない事であり、言ってしまえば、理恵子先生は、自分を体育倉庫に監禁する「アブナイ人」でしかなく、内心ビクビクしていた。

「…もう、帰りたいよ。」

「そ、そんな…あっ!分かったわ!それじゃあ、あの時の続き、させてあげるから…」

「あの時の続き?…わあっ!」
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