悪魔の連鎖ポイズン・キッス
その頃教室では、由美子と醍醐先生が、机やいすが散乱する中、向かい合って相手の出方を窺っていた。二人以外、生徒は廊下に避難していた。

…警戒態勢は崩すこと無く、用心しながらも由美子は醍醐先生に話しかけた。

「…体育会系って、みんなこうなの?

女の子に相手されなければ、すぐ暴れちゃう訳?」

「オ前、来ナカッタ。ダカラ我、迎エニキタ。」

ふうっ、と、息を吐いて肩をすぼませると由美子は、あきれ顔で言った。

「こんな訪問のされ方を、喜ぶ女の子なんていないわよ。

第一、私のどこが気に入ってるのかしら?
『我、オ前ヲ愛ス』だけじゃ、分からないでしょーが!

所で、何でさっきから片言なのよアンタ!」

「オ前、体力ガアル。」

「(・_・)エッ..!?」

「我ハ知ッテイル…本気デ走レバ、陸上部ノ誰ヨリモ早イ事ヲ…

コナイダノウチノ部員トノ50メートル走ノ勝負、見セテモラッタ。


…素晴ラシカッタ。

ダカラ、惚レタ。」
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