悪魔の連鎖ポイズン・キッス
「そ、それはそうだけれど…」

「今の由美子さんには、その薬の力は必要無いはずです。
元々僕達は、その悪魔の連鎖を断ち切ると言う使命を共有していた筈じゃないですか?

…断ち切って、改めて告白でも……でもしてくれれば…
(≧ヘ≦;)」

「…今、何て?」

由美子が聞き直す。省吾は、顔を真っ赤にしながら、すうっと静かに深呼吸をすると、大きな声で言った。

「キスでもっ!」

「!」

…省吾は、前に出る。それに合わせて由美子は、後ずさりする。

初めに由美子が言っていた言葉とはまるで逆で、あたかも、追い詰め追い詰められる立場が入れ替わったかの様であった。

「な、何でアンタの方が私に迫って来るのよ…何が、告白する勇気は必要無いよっ!
私は、そんなに強く…ぐすっ、強くなんか…


…省吾が宮本さんとキスした時だって、悔しいと思っても…ううっ…何も言えずに…」

目を左右に行ったり来たりさせ、涙を浮かべながら、さらに後ずさりする、由美子。

省吾は、おやっ?と思った。
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