悪魔の連鎖ポイズン・キッス
「わあああ…んっ…


…んっ、ん…」




今、由美子の口の中に中和剤が注ぎ込まれる。


…省吾の口から。


完全に注ぎ終わった後もその状態が暫くの間続き、やがて二人は仲良く手をつなぎながら、壁を背もたれとして横並びに床に座って笑い合った。

「…ズルいです、由美子さん。最初からこういう展開に仕向けようとしてたんでしょ?
由美子さんの目、左右に行ったり来たり、してた。

つまり、醍醐先生にキスされたと言うのも、感染ったと言うのも本当は…」

「気付いても言わないのが、良い男の条件よ。
そして良い男になりたいなら少しは、女の子のわがまま、許しなさいよね。」

その由美子の演技の仕返しという訳ではないが、ほんの少し、省吾は由美子に意地悪を言った。

「あの薬はやっぱり、失敗作だったな。」

「あら、そうかしら?私は成功したと思っているけれど。」

「…もうっ。」
< 75 / 76 >

この作品をシェア

pagetop