無題




「こっち来て・・・」

私の手を引っ張ってく・・・。


連れていかれたところは、ドアから一番遠い本棚で・・・。

「何か探すの?」


佐々木さんは、無言で私の方を見て、本棚に手をついた。


こらこら・・・なぜ私ははさまれてる・・?


「俺、限界・・・」

は?

何が・・・って言い返そうとしたとき・・・

私の唇に、佐々木さんの唇が重なった・・・。

・・・・なんで・・・?

何度も何度も・・・。


佐々木さんからしたら私にキスするなんて、大したことじゃないのかもしれないけど・・・、一回されるだけで、今の私はドキドキしてる・・・。


顔が赤くなってるのがわかる。


私の頭はもう混乱してる・・・。

正常に動かない・・・。

逃げようと思えば逃げられるくらいショウは優しくて。

なのに、逃げられない・・・。

「遊ばれてる」って理解できていても、それでも、この時間がすこしでも続けば・・・なんて・・・私らしくないことも思った・・・。



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