青い春と風の中で
《なになに?先生、笹川のこと気になるの?》

ニヤニヤと市塩が怪しげな笑みを浮かべだした。

「別に、そういう訳じゃないわよ。ただ気になっただけよ」



《笹川春(ササカワ・ハル)は、有名人なんだよ》
日浦がニコニコと微笑みながら答える。


「――そういえば…さっきも生徒達が言ってたわよね」


葵は、次の授業に使う教科書を確認の為にペラペラと捲っていたが、その手をピタリと止めて顔を上げた。


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