青い春と風の中で
「――先程も言いましたが、笹川には呉々も気をつけて下さい」
そう言うと葵の持っていた日誌を受け取ると、新倉は足を進める。
「――新倉先生、何故…笹川君に気をつけなければならないのですか」
ピタリと足を止めて新倉は振り向き、複雑な表情で葵を見つめる。
数秒間だけ沈黙が続き、新倉は一言付け足した。
「……生徒が言ってたでしょう」
「ーーでも教師には手は出さない…と、他の女子生徒から聞きました。」
「………そんなの、分かりませんよ」
新倉がポツリと呟いた声が、余りにも小さくて聞き取れなかった。
「え………?新倉先生。ごめんなさい、聞こえなかったんですけど…」
「ーーいえ、何でもありません。次の授業の準備をして来ます。先に教室に行ってて下さい」
葵は新倉が何を伝えたかったのか、分からずじまいのまま、時間は進んでいった。
そう言うと葵の持っていた日誌を受け取ると、新倉は足を進める。
「――新倉先生、何故…笹川君に気をつけなければならないのですか」
ピタリと足を止めて新倉は振り向き、複雑な表情で葵を見つめる。
数秒間だけ沈黙が続き、新倉は一言付け足した。
「……生徒が言ってたでしょう」
「ーーでも教師には手は出さない…と、他の女子生徒から聞きました。」
「………そんなの、分かりませんよ」
新倉がポツリと呟いた声が、余りにも小さくて聞き取れなかった。
「え………?新倉先生。ごめんなさい、聞こえなかったんですけど…」
「ーーいえ、何でもありません。次の授業の準備をして来ます。先に教室に行ってて下さい」
葵は新倉が何を伝えたかったのか、分からずじまいのまま、時間は進んでいった。