青い春と風の中で
廊下を歩いていると、笹川がひょこっと現れた。


「――先生〜」

「あ、笹川君…今まで何処に行ってたのよ。余りサボらないで、授業に専念しなさい」


「はいはい……先生、所でさ…今日暇…?」

「何で…」


「実はさ、先生に見せたいものがあるんだ、―――来てよ」


ぐいっと腕を引っ張られて、転びそうになる葵を見て、可笑しそうに笑う笹川の笑顔が、太陽の光に反射してキラキラと瞬いていた。




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