青い春と風の中で
「…綺麗……」


「……だろ?コレが俺のお気に入りの場所で、特等席なんだ」


そう言われて葵は、ふと頭によぎった。


――もしかして、サボってた理由って…コレを観る為に…?


「…授業中なら誰も来ないから、のんびり静かに、この風景が一望出来るからさ。――つい、授業サボって見たくなっちまうんだよなぁ…」


本当に嬉しそうに微笑む笹川を見ていると、先程まで注意してやろうと思っていたのに、すっかりと消えてしまっていた。


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