青い春と風の中で
「夕方になると、もっと綺麗なんだぜー……あんな男と2人っきりで、お酒飲みに行って危ない目に合うより、俺と一緒に、この風景を楽しみながら、話する方が良いと思うけどな〜……」


「――笹川君、聞いてたんだ」


「たまたまだよ。……俺はあんな汚いことしないよ。お酒飲ませて、ベロベロに酔っ払った所で、どっか連れてこうって魂胆だろうけど…下心みえみえだから。――先生、新倉には気をつけな、大人しそうに見える奴って、腹の中では何考えてるか分からないからね」


「……そうね、ありがとう」


葵が注意しようと思ったのに、逆に生徒から注意されるなんて――私もまだまだね。



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