青い春と風の中で
「――俺が赤外線通信で送信するから、先生は受信ね」


お互いの携帯同士を合わせると、画面には"受信しました"の文字が表示され、葵は躊躇することなく電話帳に"―笹川春―"を保存する。


「よっしゃ、先生のアドレスゲット」

隣で嬉しそうに笑みを浮かべて、ガッツポーズをする笹川を横目で見ながら、葵は苦笑いを浮かべて毒づいた。


「他の人には教えないでよ…色々と面倒だから。」

< 39 / 90 >

この作品をシェア

pagetop