青い春と風の中で

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校門前には、柵に寄りかかった私服の男性が、黙って立ち止まっている。

帽子を深く被り、ｻﾝｸﾞﾗｽまでしていて、何だか怪しい…。


葵は、その怪しい人物の男性の前を躊躇しながら通り過ぎようとすると…。

突然、腕を掴まれて思わず怖くなって、声が出せずに身を縮めた。


｢――俺だよ、俺。｣

聞き覚えのある声に振り向くと、怪しい人物の男性が、チラッとｻﾝｸﾞﾗｽをずらして
葵を見つめる相手……。


｢は……春？｣

｢そうだよ〜…葵さん、全然気づいてくれないから、つい腕を掴んじゃった。｣


そい言って、ペロリと舌を出しておどけてみせた。


｢全く…こっちはビックリしたんだから｣

溜め息混じりに苦笑いすると、笹川が険しい表情になった。