青い春と風の中で
「――俺さ、今…1人暮らしなんだよね〜」

誰も居ない公園に辿り着いた私達。ブランコに腰掛けると同時にポツリと小さく呟いた。


「え…?」


「母親は俺が小学5年の時に病気で亡くなってさ、それから…今までは親父と2人で暮らしてきたんだけれど…。高校に入った途端に、親父が結婚するって言ってきたんだ。――抵抗は無かったよ。俺も何回か、その女性とは会う機会があったし、嫌いなタイプでは無かったからさ――。」


「じゃあ、どうして…1人暮らしなんて」


聞いて良いのか迷ったけれど、やっぱり気になってしまい尋ねることにした。――私には、春が聞いて欲しいような雰囲気が感じとれたから。



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