引きこもりの勇者
インターホンの音が2度、3度鳴り響く。 

18時30分…。いつの間にか眠ってしまっていたようだ。


母親が帰ってくるには少々早いなと思いつつ、扉を開けると、


そこには、幼なじみの宇佐美が立っていた。
小さい頃はよく一緒にゲームをしたものだが、もう今では考えられない。





「はい、カメ。これ夏休みの宿題。あんた2学期からはちゃんと学校来なさいよ。」


「お、おう、サンキュー。」


RPGのお姫様というには少々気が強すぎるが、今の俺にとっては冒険を続ける唯一の光だ。


さしずめ俺はこのお姫様を幸せにするため勇者…


もちろん、そんなものになりえないことは重々承知している。



結局ろくに目を合わせることも出来ず、亀井は扉を閉めて部屋へと戻った。


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