引きこもりの勇者
情報集めは町の酒場で
次の日は雲ひとつない快晴だった。

宇佐美の家までは歩いて５分程度の距離しかないが、普段ほとんど家から出ない亀井にとってこの暑さは厳しいものがあった。


インターホンを鳴らすと健太はすぐに出てきた。

「よう、勇樹どうしたんだ、こんな早くに」

「どうしたも何も…もう宇佐美は見つかったの？」


「ああ…そのことか。あいつが訪ねそうな場所は手当たり次第に回ったんだがどこにもいなかった。お前も何か心当たりはないか？」


夏休みの宿題を届けてくれた日のことを思い出してみるが宇佐美に別段変わった様子はなかった。



「分からないな。いなくなる前、宇佐美は誰の家に泊まりに行ったの？」


「津江ちゃんの所だ。あの２人は昔から仲が良かったし、何回も泊まりに行ってるから何の心配もしていなかったんだが…」


「本城さんの所か、分かった。俺もちょっと話聞きに行ってみる。何か分かったらすぐ連絡するよ」


そう言って亀井は健太と別れ、来た道を逆方向へと歩き始めた。

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表紙・目次

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