ストーカーティーチャー cLAzy for YOU...
フジテレビ本社の建物が小さく見える。

もっとも今はフジテレビの中は電気がついておらず、

いつものように光りを放ってはいない。

しかしその他の建物やレインボーブリッジなどは、相変わらず輝いている。

綺麗な夜景が、このスウィートルームから
大きな窓を通して見える。


「おかしいと思ったよ。」

そのスウィートルームに制服を着た少年がいた。

目の前にはこちらに銃口を向けている中年男性。

しかしちっとも、その少年は動揺せず、

可愛い顔に似合わない目で相手を睨み続ける。

「インサイダー取引をしていたのは

あんただけ

なんだろ?

それだったら、僕にわざわざデータを取りに行かせなくても、

お前があらかじめ

僕がフジテレビを襲撃する前に

データをとっておけば良かったんぢゃないの!?」

「なんのことでしょうか?」

中年の目は、眼鏡の奥でニコニコと微笑む。


「・・・それに、インサイダー取引のコトも、

僕がフジテレビを襲うことも、

あんたしか知らないはずなのに、

誰があんなおとりを作るっていうんだ?」

少年はニコニコする男性を睨んだまま、喋り続ける。

「あんたは僕を巧妙な手口と大掛かりなシチュエーションで騙した。

本当はインサイダー取引のデータなんて存在しない。

そしてお前はフジテレビを潰そうとしていたスパイでもない!!」


「じゃぁ、なんだって言うんですか?」

中年男は銃を降ろさないまま、穏やかに問う。

「・・・あんたは、俺をハメて殺そうとしてる、

向こう側の組織の一人だ。」

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