ストーカーティーチャー cLAzy for YOU...
刀をしまって帰ろうとすると、
男が苦しそうな顔をしながら
俺の足を掴む。
周りの夜景のせいで薄暗い。
だから俺は顔を見られないように出来るだけ顔を反らす。
「お前は誰だ・・・・・・・・。」
「警備員だ。」
「・・・なんで警備員なのに刀を持ってる・・・。」
そいつは少し笑いながら聞く。
「・・・偶然だ。」
俺はそいつの手を、掴まれた足で踏み返し、
その場を去ろうとした。
「待て・・・。」
「・・・。」
もう反撃をしようというわけではない様子だ。
「・・・なんで、誰も殺さない?」
「・・・。」
答えるまでもないことだ。
「お前は、犯罪王子じゃないよな・・・
なあ・・・誰なんだ?」
「・・・誰でもない。」
そう言い残し、
誰も殺さず、
その場を去った。
「あ・・・あれ・・・」
カチ
カチカチ。
何回やっても組織のボスの銃からは間の抜けた音しか出なかった。
「なぜだ・・・!?」
ボスは焦りだす。
カチカチカチ。何回やっても一緒だ。
「弾は、全て抜かせて頂きました。」
そんな無能なボスに
今度は光が可愛い笑顔を見せる。
「・・・えっ」
組織のボスがひやりとした次の瞬間、
胸に光の投げたナイフが二本刺さった。
「うがっ・・・」
組織のボスは血を吐きながら背中から倒れこんでいく。
光はナイフを投げた態勢のまま、その様子をただ見ていた。