ストーカーティーチャー cLAzy for YOU...
#2
「・・・。」
弓を力強く引く。
的を睨む。
そして矢を放った。
「・・・よし。」
今みたいに、心配な事があったりすると、
なかなか上手く矢を飛ばせない。
「さっきみたいに、矢を放った後もちゃんと的を見るイメージで。」
「はい!ありがとうございます!」
どーにか、的中したけど。
かろうじてって当てれた感覚だ。
・・・琉花の奴、ちゃんと帰っただろうか。
さっきからさりげなく、道場の窓から見える下校している生徒を覗いているのだが、
琉花の姿は見ていない・・・
「キャー!!!!!!!!!!
光くぅぅぅん!!!!!!!!!!」
「・・・。」
ランニングしているバスケ部の中に邦是光が見えた。
周りの女子が皆、黄色い声で叫び始める。
同時に邦是以外の男子は大儀な顔を見せていた。
俺も含めて。
「超可愛いーー!!!
きゃぁっ!目があったかも!」
「ちょっ、何あの一年?光君とカブッてんだょ!どけよっ!光君見えねー、キャー!!見えた!」
・・・本当に腹立つ。
あの野郎。
猫カブッて優等生のふりしやがって。
人殺してんのに、よくあんな演技出来るな。
つーか、琉花に何にもしてないだろうな。
「先生ー!ちょっとフォームがわからなくなってきて・・・」
「はいはい。」
駄目だ、集中しないと。
とりあえず、部活が終わったら、教室に戻って居るかどうか確認するか。
居たら、何と言われてでも車で送ってやろう。