ストーカーティーチャー cLAzy for YOU...

#3

「え、浴衣がない?」

「そうなんです、あの、わたし貧乏だし浴衣買うお金もないし…」

次の日、先生に嘘をついて秋祭りを断る口実をつくった。

わたしは貧乏だけど、節約は得意で、浴衣は今も安いのがあるから買えないことはない。

そもそも浴衣じゃなくても夏祭りは行ける。

だけど先生と行くことが嫌、ではないけれど、なんだかそうなる状況を想像するだけで、変、というか。

「なんだ、そんなことならもっと早く言えよ」

「あ、違うんです。ほんと、わたしが悪いんです、先生は違う人と」

「知り合いに着物屋のばあさんがいるんだ。少し柄は古いかもしれないけど、タダで貸してくれる。」

「そ、そんな悪いです。」

「悪いことなんてないさ。」

そういって先生は私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
思わず私は目をつぶったけど、先生、少し笑っているように思えた。

「…先生、先生は、楽しみなんですか?」

「え…何が?」

思わず彼の目をじっと見つめてしまう。

「わたしと…」
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