ストーカーティーチャー cLAzy for YOU...
秋祭りは土曜日に行われる。

私は先生から借りた浴衣を身にまとい、待ち合わせの場所へと向かった。

まだ空が蒼い。普段は人通りの少ない商店街も縁日が並ぶ。

「…似合ってるじゃないか。」

先生は、小走りで走った私に、ゆっくり微笑みかけた。


「上手く着付けれてる」

「ほんと?良かったぁ…。」

「さ、どこから回る?」

「あ、あの。」

「ん。」

「神社に行きませんか…あの山の、小さな神社。

人通りも上の民家から裏道を使って降りる人程度で、屋台も一個あるかないかですけど…

花火が凄く綺麗なんです」

「……わかってる、それが目的だし。

いまから行くか。」

「…はい。」

「生徒会達の屋台に顔でも出そうかと思ったんだけど、ま、どうせマズイ飯しか売ってないんだろ」

「え、これ、見られたらやばくないですか?」

「ん?」

「あ、いやぁ…なんでもありません」

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