女装彼氏。短編
長い睫毛を大きく揺らしながら、可愛い顔でふんわり笑う。

なんでコイツは、こんなに[可愛い]をよく知ってるんだろう…。
そんなの、行くとしか言えないじゃん。

あたしは、大きく頷いた。

さり気なく握ってくれる手は、あたたかい。

あたしの、大好きな温もりだ。

―ガチャ

階段を上りきって、マオが屋上の重い扉を開けた。

ぶわぁっと風が吹き込んで、あたしの髪を乱す。

再び大きな音をさせて扉をしめれば、そこには青空が広がっていた。

「つっかれた~!」

すると、突然女装を崩しだしたマオ。

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