好きな人はスカウトマン。
圭太と目が合ってしまった。



「美雪……」



逃げなきゃ。

逃げなきゃ。



でも、あたしの足は動いてくれなかった。


久しぶりに会った圭太は、前よりちょっと日焼けしていて、少し痩せたかもしれない、なんて考えてしまっていた。




「圭太くんじゃん!」



友達も圭太に気付き、歩み寄って行く。



あぁ、もう逃げられない。


覚悟して

「久しぶり」

と、低い声で言った。



でもね、あの時、本当は内心、嬉しかったんだよ。


久しぶりに会えて。
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