好きな人はスカウトマン。
帰りたくなくて、あたしはなかなか車を降りようとしない。


すると、また携帯が鳴る。


ブーブー ブーブー
ブーブー ブーブー


長いバイブだから、きっと電話なのだろう。



携帯の画面を見ながら、圭太は明らかに困った顔をしている。



あたしは、もう帰らなくてはいけないのかもしれない。


そう思った時、圭太が車から降りて、ちょっと離れた所で電話に出て話し始めた。


あたしは、5分くらい車の中で待っていたけど、もうこれ以上は居られなかった。


帰るべきタイミングだった。
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