好きな人はスカウトマン。
車から降りて運転席側を向くと、後ろを向いて電話をしている圭太が見えた。


あたしには気付いてない。


ドアを閉めると、音に気付いてこっちを向く。

目が合ったけど、あたしは手を振って玄関に向かった。


家に入る前、一度振り返り圭太の方を見たら、もう車に乗っていて、姿は見えなかった。



時刻は深夜2時になっていた。



うちから圭太の家までは、車で30分くらいの距離がある。


いつも、送ってもらって30分後にはメールが来る。

「今、家着いたよ」

とか

「今日は楽しかったね」

とか。
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