好きな人はスカウトマン。
「美雪?聞いてる?」


「う……、うん!聞いてるよ!」


「もしかして、泣いてる?」


「泣いてないよーー」


「泣いてるじゃん」


圭太には嘘もバレてしまう。

圭太はいつも分かってくれる。



「彼女からの電話だったの?」

涙声のあたしは聞いた。



「うん……」


「どんな電話?」


「メールの返信が遅いからって、ちょっと疑われちゃってたよ。今どこにいるの?とか聞かれた」


「何て言ったの?」


「友達と遊んでた、って言った。間違ってはいないし」


「あはは!確かに!」
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