好きな人はｽｶｳﾄﾏﾝ。

「あのね、また友達からやり直す、って事でもいいかな」


あたしの申し出に「美雪といられるなら、それでも仕方ない」と、圭太は受け入れてくれた。


その後は普通に楽しく会話が弾んだ。


別れる前と同じようなペースで、ご飯を食べに行ったり遊びに行ったりしていて、２人とも「別れた」という実感はあまりなかった。


でも、生活は確実に変わっていった。


友達に「彼氏と別れた」と報告したし、左手の薬指からはペアリングが消えていた。


そんな時、気になっていた翔から「バイト前にでもご飯を食べに行こう」と誘われた。

他の男友達からも「飲みに行こう」と誘われた。

あたしは舞い上がっていた。

翔から誘われたことも嬉しいけど、彼氏と別れた途端にモテるようになったと感じ、調子に乗っていたのかもしれない。