桜散る頃
男子生徒の名は加藤 巽希、巽希は何も言わずに座っている

美佳は告げることが出来た喜びと
返事を待つ不安で小さい胸の中が埋まり、上手く息が出来ていない

「わかった」
巽希の唇が小さく動いた

好きです と わかった

同じ四文字、でも少ない字数の中に数えきれない想いが詰まっている…

その時、美佳の瞳から雫がこぼれ落ちた
不安からときはなれたのだろうかそのばにしゃがみ込んだ。
巽希は美佳の側に歩みより、手を差し延べた
「告白、うれしかったよ 美佳が想いをぶつけてくれたなら俺はそれをかえすだけ」

数秒の間が開く

そして巽希の唇が微かに開く

「聞いたことない? 「受けたものは二倍にして返せ」って」
美佳が更に涙を流す、雫は頬を伝い、膝へと落ちる。

巽希はそれを拭いこう言った
「明日から、よろしくね」
美佳はただ、ただ頭を縦に振っていた

桜の散る頃の、短く、永い時間の話だった…
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