涙色のlove story
先にひかりが口を開いた。
「…その事耀介くんは知ってるの?」
「うん。
耀介も直接医者から話を聞いたから」
また間ができる。
「…あははっ、ごめんごめん!!
なんか空気重くしちゃったね;
もっかいまるきゅ-行く?!(笑)」
あたしが明るく振舞う。
けれどひかりは何も動じない。
なんか、虚しく感じる。
あんな元気なひかりが静かだと…
ガタンッ!!!!
ひかりがいきなり立ち上がった。
「なにが空気重くしてごめんなの?!
こんな重大な話、笑って片付けないでよ!!
結仁は昔からそう。
全部自分で片付けようとして無理してる。
ヤンキーん時はまだよかったけど、
今度は命に関わる重大な話なんだよ!!?
ひかりよりも、結仁が十分わかってるでしょ?!」
久々に怒鳴るひかりを見た。
そんなひかりの目は怒っていながらも
どこか悲しげな目をしていた。
「…結仁。
今回だけは本当に無理しないでよ…
耀介くんとか、ひかりとか、親とか。
周りの人を頼っていいんだからね?!
もっと、自分大事にして…?」
泣きながらそう言い残したひかりは
荷物を全て持ち、店を出た。
涙を流しながら走っていったように
あたしには見えた。
あたしは、ひかりのコーヒーの分も払って
店を出て真っ直ぐバス停へ向かった。