涙色のlove story
デート中、たまたま結婚式最中の
チャペルの近くを通った。
新郎新婦が幸せそうな顔で。
周りの人たちがフラワーシャワーで2人を祝福する。
両親は泣いていた。
あたし達は立ち止まって見ていた。
「幸せそう…うらやましい。
あたし達も早く結婚したいね。」
つい、口に出してしまった本音だった。
「俺たちはまだだよ。
貯金もねぇし、まだまだ未熟だ。
完璧になってから結婚しような?」
耀介はそう言った。
あたしは繋いでいた手を握り返した。
なんだか不安になった。
貯金が貯まるのはいつ?
完璧になれるのはいつ?
その前にあたしが死んだら?
耀介につい、問いかけたくなった。
結婚式を挙げている新郎新婦が
凄く、凄くうらやましくなった。